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レストラン 2024.10.01
こんにちは。ホテルオークラ京都 1階 カフェ「レックコート」浅井です。いつもスタッフブログをご覧いただきありがとうございます。10月になりましたが、日中はまだまだ暑い日が続きますね。朝夕の寒暖差で皆様体調は崩されておられませんか?
さて、今回は先日「お客様に提案する日本酒やお酒について勉強しよう!」ということでメンバーを募り、ホテルオークラ京都のレストラン・バーの若手スタッフからベテランまで総勢19名で京都西陣 洛中唯一の酒蔵「佐々木酒造」の見学会に行ってきた様子をご紹介いたします。
明治26年(1893年)「佐々木酒造」は初代 佐々木治郎吉氏によって創業、今年で131周年を迎えられました。当日は4代目である佐々木 晃 社長自らお出迎え、ご案内いただきました。お兄さんは俳優の佐々木 蔵之介さんです。
「佐々木酒造」が蔵を構えるこの辺りは「出水」という地名が残されるほど良質な地下水が豊富です。創業当初はなんと131軒の酒蔵があったそうですが、その後全国への流通の利便性などの理由から伏見や郊外に移転し時代とともに減少、現在では「佐々木酒造」が洛中唯一の酒蔵となりました。
酒蔵の玄関には杉玉が吊られています。杉玉は新酒の完成を知らせる役割。今年もよいお酒ができるようにと願いが込められているそうです。皆様ご存知でしたか?
日本酒の製造において玄米を削りとることを「米を磨く」と表現。では何故磨くのでしょうか?お米の表層に含まれる脂質やたんぱく質の栄養素が日本酒の雑味の原因になるためだそうです。お米を磨くことでお酒の香り、味わいが大きく変わってくるとご説明いただきました。磨いたお米を「精米歩合」と表現することもあり、この割合が低いものほどよく磨かれ、出来上がった日本酒の値段が高い傾向にあります。例えば、精米歩合50%以下は大吟醸酒、50〜60%のものを吟醸酒というように精米歩合を基準に種類分けされます。
ではSDGsの世の中、残った削りカスはどのように再利用されているのでしょうか?ちょっと気になりますよね。「佐々木酒造」ではせんべいを製造したり、ぬか床に使用したりされているようです。海外では動物の飼料として再利用されることもあるそうです。
動物といえば「佐々木酒造」には3匹の猫が!!
10年以上前、酒蔵で猫が何匹も産まれ社長が3匹の猫を保護されたそう。杜氏の田中様曰く、猫様が僕の先輩であり上司です!と。猫の方が長くこの会社にいるそうで猫社員と呼ばれているそうです。「130周年記念 猫感謝 酒にゃん酒アニバーサリー」特別純米酒も販売されているのですよ!
酒蔵を案内してくださったのはその田中様。日本酒造りに欠かせない「水」は現在も井戸から汲み上げ、地下水を使用しています。現在使用中の大きな釜。このなかで日本酒は造られます。この釜の持ち運びは機械ではなく人力で行うのだそうです。大変な力仕事、杜氏泣かせです!と、仰っていたのが印象的でした。
米・米麴・水などの原料をまぜるためにつかう「櫂棒」(かいぼう)、木でできた棒を実際持たせてもらったスタッフ。棒だけでも大変重たかったようです。
和紙などの特別なラベルは機械ではなく手作業で行うそうです。一瓶、ひと瓶生産者の思いが込められているのだと、丁寧にご解説いただき再認識いたしました。
しっかりとご説明いただき、まだまだお伝えしたいことはたくさんございますが、長文となって参りましたので、この後の座学、お楽しみのテイスティングタイムのご紹介はまた、後日とさせていただきます。次回(10/4)もお楽しみに。
レックコート 浅井
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